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自治体・DMOのデジタルプロモーションを見直す記事ガイド:目的・媒体・KPI・次年度判断

8月4日
読了時間: 8分

更新日:13 時間前

SNS、デジタル広告、Webサイト、インフルエンサー、キャンペーン。各施策の数字は揃っている。それでも、次年度に何を続け、何を変え、何を止めるのかだけが決まらないことがあります。


それは、媒体ごとの成績が足りないからとは限りません。むしろ、数字の前後が切れているために、成績を見ても判断へつながらないことがあります。何のための施策なのか、誰の何を変えたいのか、行動した人を受け止められるのか、誰が判断し誰が実行するのか。そこまでつながって初めて、媒体の数字を次年度の予算へ使えるようになります。


一つの「プロモーション」として見ると、どこで詰まっているか分からない

確認する問い

ここで決めること

1.政策目的・事業成果

地域として何を変えたいか

最終成果と事業目的

2.対象者・行動

誰の、どの行動を変えたいか

重点対象と行動変化

3.商品・受入環境

行動した人を受け止められるか

商品・予約・交通・受入の改善要否

4.媒体・導線

各媒体は何の機能を担うか

残す媒体・統合する媒体・接続先

5.運用・発注

誰が判断し、誰が実行するか

発注者と委託先の責任分担

6.評価・次年度判断

数値を見て何を変えるか

拡大・継続・再設計・縮小停止・追加検証

この順序には意味があります。予約導線に問題があるのに広告だけを増やせば、流入は増えても成果は伸びにくい。他方、商品や受入環境に大きな問題がなく、単純に知られていないことが主要な制約なら、追加到達へ投資する合理性があります。媒体を評価する前に、その前後を一度見る必要があるわけです。



いま止まっている判断から、見る場所を決める

現在困っていること

次に確認する記事

KPIはあるが、何を判断する数字か分からない

投稿・広告は実施したが、成功したか分からない

フォロワー数・再生数・バズが目標化している

アクセスは増えたが、予約・購入が増えない

SNS・広告・Webの役割が重複している

施策が増えすぎ、何を止めるべきか分からない

月次レポートを見ても改善につながらない

年度末に継続可否を決めたい

発注者側に専門人材がいない

広告費を増減すべきか判断したい



1.地域の成果を、一つの媒体の責任にしてよいのか

最初に考えるのは、事業によって誰の何を変えたいのかです。観光であれば、来訪、宿泊、周遊、旅行消費、満足度、再訪、地域事業者への経済的便益など、地域全体として望む変化はいくつも考えられます。


しかし、SNSや広告、Webサイトが直接動かせる範囲はもっと狭い。旅行消費額や来訪者数の全体を一つの媒体へ背負わせると、何を改善すればよいのかも、誰の責任なのかも分かりにくくなります。


KGI・KPIの階層と判断条件は、観光施策のKGI・KPI設計で整理しています。



2.「観光客」に届ける、ではまだ広すぎないか

「観光客へ情報を届ける」「認知度を高める」だけでは、まだ媒体や予算を選べません。旅行前の認知、検索、比較、予約と、旅行中の移動、探索、周遊、購入、旅行後の共有、再訪、推奨では、必要な情報も接点も違うためです。


必要なのは、精緻な人物像を作り込むことではありません。限られた予算を、どの需要とどの行動変化へ優先的に置くのかを決められる程度まで、対象を狭くすることです。



3.需要を増やす前に、その需要を受け止められるか

広告クリックやWebアクセスが増えても、予約可能な商品がない、価格や内容が分からない、在庫・空室情報が確認できない、購入ページへ進みにくい、現地交通が分からない、といった状態では行動は止まります。


ここで分けたいのは、知られていないことと、知った後に動けないことです。需要が生まれた後で行動が止まっているのであれば、発信量を増やすより先に、商品、予約、販売、交通、受入のどこで止まっているかを見る方がよいでしょう。


この切り分けは、情報発信と販売チャネルの違いで詳しく整理しています。



4.SNSかWebかではなく、何の機能が必要なのか

SNS、Web、広告、広報を媒体名のまま比べると、どれも「情報発信」に見えてしまいます。誰に届き、何を担い、次のどこへつなぎ、どこまで測れ、どれほど運用負荷がかかり、代替できるのか。機能で並べると、残す理由と止める理由が見えやすくなります。


  • SNS:継続接触、視覚的理解、関心形成、再接触

  • Webサイト:詳細情報の保持、比較、公式情報、予約・購入先への接続

  • デジタル広告:特定対象への追加到達、需要喚起、比較検討への送客

  • 広報・PR:第三者接点、社会的認知、信頼形成




5.外へ任せるほど、何を自分たちに残すのか

外部委託では、仕様どおり実施されたかという話と、狙った成果が生まれたかという話を分ける必要があります。成果が伸びなかったからといって、原因が委託先の実行にあるとは限りません。そもそもの事業設計、商品や受入環境、外部環境、発注条件が制約になっていることもあります。


実行を外へ任せても、何を実現したいのか、何を任せるのか、提出された証拠から何を判断するのか、どの条件で契約や施策を変えるのかという機能までは失わない方がよいでしょう。


月次評価は、委託先の月次レポートで確認すべき点、発注者能力は、専門知識がなくても良い発注は可能かで整理しています。



6.年度末は、「続けるか止めるか」の二択ではない

年度末の評価は、今年何をしたかを説明して終わるものではありません。次年度の資源配分まで考えるなら、続けるか止めるかの二択では狭すぎます。拡大、継続、再設計、縮小・停止、追加検証くらいには分けておく方が、現実の選択肢を比べやすくなります。


判断

主な条件

拡大

成果との関係が確認でき、追加投入の便益が他の選択肢より高いと見込める

継続

必要な機能を担い、現行規模で続ける合理性を説明できる

再設計

機能は必要だが、対象・商品・導線・媒体・KPI・役割分担等に問題がある

縮小・停止

機能重複、必要性低下、代替手段、費用・負荷との不均衡がある

追加検証

結論を変え得る重要情報が不足し、限定的な追加確認に価値がある

追加検証を選ぶなら、「何が分かれば結論が変わるのか」「その確認にいくらまで使うのか」「いつもう一度決めるのか」まで置きます。結論をほとんど変えないデータを、精緻さのためだけに取り続ける必要はありません。



次年度予算の前に、七つだけ確認する


  • 政策・事業として実現したい成果を説明できる

  • 優先する対象者と変えてほしい行動が明確である

  • 行動後に必要な商品、予約、購入、交通、受入環境が存在する

  • 各媒体が担う役割と次の行動への接続先が明確である

  • 自治体・DMOと委託先の判断責任・実行責任が分かれている

  • 主要指標が変化したとき、何を変更するか定められている

  • 拡大・継続・再設計・縮小停止・追加検証の条件がある



新しいデータを取りに行く前に、手元の資料を並べる

新しい調査やシステムを増やす前に、計画書、仕様書、提案書、月次レポート、成果報告書、広告管理画面、アクセス解析、予約・販売実績を一度並べる方が先です。


その資料を、確認できていること、推測にとどまること、不足していること、そしてその不足のために決められないことへ分けます。ここで設計上の欠落が見つかれば、新しい計測を増やさなくても、直す場所が見えることがあります。



どこから説明がつながらなくなるか

どの媒体を改善するかを先に決める必要はありません。六つを上からたどり、どこから説明がつながらなくなるのかを見る。その境界が、追加で調べること、設計し直すこと、あるいは止めることを分ける起点になります。



外から見る意味が生まれるのは、判断が止まっている場所があるとき

株式会社Kerzeでは、計画書、仕様書、提案書、月次レポート、成果報告書などの現有資料から、確認できる事実と、判断に不足している情報を切り分けます。必要な場合に限り、KPI、計測、報告条件、発注内容、次年度の継続・変更・縮小・停止条件まで再設計します。


新しい施策を始めることも、今の契約を変えることも前提ではありません。特定の論点だけ確認すれば足りるのか、成果報告全体を読み直す必要があるのか、次年度設計まで触れるべきなのかは、いま止まっている判断から決めればよいと考えています。



株式会社Kerzeについて


なんとなく”を終わらせる。根拠を持って「続ける・見直す・止める」を判断できる状態へ。


「どう解決するか」の前に、「何を解決するか」を適切に定めることを何より大切だと考え、株式会社Kerzeは、自治体・各種組合・商社/小売店に対し、事業戦略とマーケティング実務をつなぐ支援を行ってきました。戦略・目的・KPI、予算・発注、業務実施体制を整理しながら、SNS・広告・Web・販促・データ活用などの実務まで、必要な範囲を見定め、実行も含め支援いたします。


執筆・編集:株式会社Kerze

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